米国経済:インフレとの戦いも2.0~ISMとJOLTS~

印刷

最終更新日: 2025年1月10日

 

堅調な米国経済、世界経済の先頭を走り続ける

  年明けから発表された米国経済の代表的な経済指標である全米サプライマネジメント協会のISM指数と米労働省のJOLTS(雇用動態調査)をみると、引き続き堅調な米国経済の姿が確認された。12月FOMCでFedがタカ派に転換したことを正当化するもので、当面は雇用環境の軟化よりもインフレ再燃への警戒感の方が優勢になるだろう。
 米国経済の先行指標として知られる12月のISM指数は、製造業、非製造業とも前月から改善しており、米国経済の堅調さを示唆している。この間、アトランタ連銀GDPナウをみると、2024年第4四半期の経済成長率は前期比年率+2.7%と、潜在成長率を上回る順調な成長が見込まれており、ここでも実体経済の強さを確認できる。

2025年も米国経済次第の展開か

 2024年は、Fedの急速な利上げを受けて、米国経済がいつ落ち込むのか、というのを警戒し続けた1年であった。実際、昨年7月の軟調な雇用統計をみた時も「それ見たことか」というリアクションがマーケットで起こった。もっとも、その後も、米国経済は堅調さを維持し、世界経済という集団の中で独走状態を続けている。このまま「いつかバテるのではないか」と思っているうちに、米国経済はノーランディングのまま駆け抜ける可能性もあり、目下は雇用環境の急速な冷え込みよりもインフレの再燃の方がリスクとして高まっている。翻って、日本からみた為替動向や日銀の金融政策をみる上では、米国経済の下振れリスクだけでなく、想定よりも米国経済が強い、という上振れリスク(Fedの再利上げなど)への配意も必要な年になりそうだ(詳細はレポートをご覧ください)。

米国経済:インフレとの戦いも2.0~ISMとJOLTS~(729KB)(PDF文書)

このページに関するお問い合わせ

産業調査

電話番号:026-224-0501

FAX番号:026-224-6233