12月日銀会合レビュー~Fedのタカ派転換でシナリオ再構築が求められる~

印刷

最終更新日: 2024年12月24日

 

タカ派的なFed、ハト派的な日銀のコントラスト

  19日に幕を閉じた日米金融政策当局による決定会合は、Fedのタカ派的利下げに対して、日銀は政策金利の据え置きとハト派的な総裁記者会見で幕を閉じた。筆者は、タカ派的なFedの利下げにより円安圧力が強まった中で、日銀は経済・物価見通しがオントラックであることを理由に追加利上げを行うと予想していたが、結果的には予想と異なる結果となった。

Fedのタカ派シフトは今後の見通しの大転換を意味する

 Fedは、インフレとの戦いに目途がつき、雇用情勢とにらみ合いながら段階的に利下げを行うというのがこれまでのメインシナリオだったが、今回の12月FOMCでシナリオが大きく変更された。従来の想定よりもインフレ率が高止まる見通しの下で、25年中の利下げ回数が年4回から年2回へと鈍化するシナリオへの転換であり、インフレとの闘いが長期化する予告でもあった。それまで世界経済のメインシナリオだった米国等の主要国の利下げにより、世界貿易量の改善を通じて製造業が回復するという楽観シナリオは見直しが求められている。また、米国の金利低下を前提にこれまで楽観視されてきた米国の商業用不動産問題の再燃リスクや、中国をはじめとする新興国の利下げ余地の縮小などにも配意が求められる(詳細はレポートをご覧ください)。

12月日銀会合レビュー~Fedのタカ派転換でシナリオ再構築が求められる~(772KB)(PDF文書)

このページに関するお問い合わせ

産業調査

電話番号:026-224-0501

FAX番号:026-224-6233