2024年7-9月期GDP~1次速報のポイント解説~
2024年7-9月期実質GDP成長率は2期連続でプラス成長
2024年7-9月期の実質GDP成長率は季節調整済前期比+0.2%(年率+0.9%)と2四半期連続成長となり、市場予想(前期比+0.1%)も上回った。需要項目別にみると、設備投資や純輸出はマイナス寄与となったものの、個人消費のプラス寄与がそれをカバーした格好である。薄氷のプラス成長であるため、今後、法人企業統計等の結果次第では2次QEで多少見え方が変わる可能性はあるものの、個人消費が2四半期連続でプラスになったことは前向きに評価できる。また、輸出の減速により、外需(純輸出)もマイナス寄与が拡大したが、輸入の増加は国内需要の強さの裏返しとして評価できる。
日銀は利上げに向けて一歩前進か
今期の実質GDPは、日銀にとって、7月の金融政策決定会合で0.25%への追加利上げを実施して以降、初めて実体経済の動きを確認する重要なタイミングであった。蓋を開けてみれば、2四半期連続のプラス成長となり、個人消費が腰折れせずに増加基調を維持した点は、政府・日銀が目指す“物価と賃金の好循環”の実現に向けて「オントラック」であるとの自信を深めたものとみられる。足もと為替円安が進行している点を踏まえると、早期の利上げを決断する要素となるため、現状の金融・経済環境を前提にすれば、追加利上げの時期は24/12月とみる。