技術力と革新性で未来を拓く~岡谷精密工業(株)<2025・03・18>
金型製造から精密プレス加工まで一貫生産を強みに
1988年創業の岡谷精密工業(株)は、金型製造からプレス加工まで自社内での一貫生産を強みとしている。
金型製造は、それを専門に担う金型部を設けており、熟練の技能者が複雑なプレス加工を可能とする金型を製造している。金型製作に必要なワイヤーやマシニングセンタなどの機械も複数台完備している。
この自社内で製造した金型を使いプレス加工を行っているが、特に精密プレス加工を得意としており、直径0.5mm、厚さ0.1mmという超極小サイズの部品加工も可能だ。
また、1日に様々な製品を累計100万個以上加工するなど、プレス加工ならではの安定した量産技術を誇っている。
抜き加工や曲げ加工の他にも絞り加工部品が製作できる。絞り加工は円筒型や箱型の部品も一枚の金属板から作り上げるため、つなぎ目がなく高い強度を持つ上に、低コストでの加工が可能という強みを持つ。
そうした強みを生かし、家電から自動車まで広い業種にわたり取引先を広げている。
金属3Dプリンティング事業にも参入
同社は、金型製造、プレス加工を中心とした「ものづくり力」を基盤に、2022年からは金属3Dプリンティング事業に参入した。
県下では数社しか保有していない3Dプリンターを活用し、医療や介護、車載・光学など広い分野へ製品を提供している。
さらに、3Dプリンティングの特長を活かし、多品種少量生産を実現することで、手術で使用される器具を医師のニーズや使い勝手に合わせたカスタマイズ品として提供できている。
金属3Dプリンターは、敷き詰めた金属粉末にレーザーを照射し、溶かしながら層を重ねていくことで、多軸マシニングセンタのみでは加工ができない複雑な曲線形状を持つ製品を製造することができる。
ただし、こうした性能を発揮するためには、造形中の製品を支える「サポート」の設計や配置、レーザー光のパワーや速度などのノウハウが蓄積されていないと難しく、高価な設備を導入しただけでは目的とする製品を作り上げることはできない。同社では、専門人材の活用などでこうしたノウハウの蓄積を迅速に進めることができたため、機器導入から短期間での事業化が可能となった。
世の中のニーズが多様化する中、さまざまな分野で多品種少量のニーズが高まっている。3Dプリンターはこれらの需要に応えるのに最適なツールであり、さらに多くの分野への展開が期待されている。
社員のことを考えての労働環境整備
また、同社では高齢者の活躍を支えるための労働環境が整備されている。
現在は退職をしてしまったが、以前、80歳を超える社員が在籍していた際には、特別のルールを制定していた。
それは、80歳以上の従業員は、最短8時半から15時半までの短時間勤務ができ、さらに85歳以上は、交通事故防止のため雨の日は基本的に休日というものである。
80歳を超えた人でも働ける環境を整備し、働く機会を提供することは、地域社会への大きな貢献となる。
こうした経営姿勢が社内への技術・ノウハウの蓄積につながり、技術の革新と多様なニーズに応える柔軟性を支えているのだろう。
(資料)SBC「明日を造れ!ものづくりナガノ」(2025年3月16日放送)
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