「ものづくり大賞NAGANO」で長野のものづくり産業を元気に<2024・11・12>
「ものづくり大賞NAGANO」とは
2008年に信越放送などの呼びかけで、長野県の主要産業である製造業を応援し、元気にしていこうと長野県、日本銀行、信州大学、長野県経営者協会、長野経済研究所など県内8機関の産学官からなる「ものづくり応援懇話会」が設立された。
「ものづくり大賞NAGANO」は、その応援懇話会による表彰制度で2010年に始まり、今回で15回となる。
長野県内の「優れた技術力、製品を持つ企業」や「最先端技術を支える地道なものづくりを続ける企業」、特に「地域に根ざした継続的な活動を行う企業」を表彰することで、表彰企業を広く知ってもらい、その企業・産業の育成や、地域のさらなる発展を目的にしている。
表彰の対象となるのは「ものづくりに関連する企業」
表彰対象は、名前の通りものづくりに関連する企業だ。
多少詳しく説明すると、長野県内に本社又は主たる事業所、若しくは研究開発拠点、若しくはこれに類する施設がある企業としている。
そして、ものづくりに関連する企業とは、製造業者(日本標準産業分類の大分類「製造業」又は「情報通信業」を営む事業者)としている。情報通信業については、最近のものづくりに欠かせない存在となっていることから、数年前から対象としたという経緯である。
今年の応募企業数と特徴
今年は14社から応募があった。
毎年非常に多彩な業種の応募があり、今年もアルミを溶かして製品を製造する鋳造、型を射抜く金型などの「ものづくりの基盤技術」を担う企業から、情報通信機械や電子部品など長野県製造業の主軸を成す分野の企業、さらにはこれも長野県の強みだが製麺や味噌など食料品を製造するメーカーなどだ。
そして、環境との調和が求められる現代らしく、廃棄物を活用したサーキュラーエコノミー型の製品を製造する企業からの応募もあった。
賞は「大賞」「きらりと光る技術賞」「特別賞」
3つの賞がある。先ず、「大賞」があり3社が表彰される。その中から特に優れた1社をグランプリに選定する。
2つ目が「きらりと光る技術賞」で、大賞に次ぐ賞という位置づけで、おおむね100人未満の企業を対象に表彰する。
3つ目が「特別賞」で、長野県に関連するものづくりに貢献する団体または個人に授与している。
今年のグランプリ受賞企業は長野日本無線
今年は大賞に、長野市の長野日本無線、安曇野市の日本電熱、上田市のタジマの3社が選考された。
そして、グランプリを受賞したのが長野日本無線だ。受賞の決め手は、一番は同社の従来から保有する情報通信機器の先端性に併せ、同社が開発した「ワイヤーハーネス自動はんだ装置」の優れた技術に裏打ちされた製品性や社会・産業への貢献だ。
通常ワイヤーハーネスのはんだ付けは、相当熟練した技能工しかできない。故に今日のような人手不足が問題となる中で自動化できる意義は大きい。また、地域貢献として、本社機能を東京から長野市に移転し、会社とともに多くの社員が地域に根差した活動を行っていることなども評価された。
県内のものづくり企業の皆さんには奮って応募いただきたい
今まで40数社に「ものづくり大賞」を受賞していただいたが、どの企業もそれを励みに成長をされている。
多く聞く感想が、経営者の自信や社員のプライド、地域に対する認知度向上などに繋がっているということ。また、SBC「明日を造れ!ものづくりナガノ」にもご出演いただき、有効な企業PRともなっている。
さらに、「大賞」や「きらりと光る技術賞」受賞企業は併せて、長野県のものづくりエクセレンスにも認定されることとなっており、長野県の支援策のいくつかの優遇措置も受けられる。
来年度も応募は7月頃から開始される予定だ。奮ってご応募をいただきたい。
(初出)SBCラジオ あさまるコラム 2024.11.12放送
関連リンク
(資料)SBC「明日を造れ!ものづくりナガノ」(2024年11月3日放送)
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