工業用プラスチック製品製造
業界概要と最近の業界動向
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プラスチック製品製造業は、プラスチック原料を成形機で工業用部品に加工する業種である。プラスチックの加工方法は、原料を各種成形機で形作り、冷却固化する一次加工と、成形されたプラスチックの組み立てや塗装・印刷を行う二次加工に大別される。加工された製品は、自動車や電気機器などの完成品メーカーや部品メーカーに納品される。
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図表1のとおり、全国のプラスチック製品製造業の製造品出荷額等は11年から19年まで増加傾向にあったが、新型コロナウイルスの影響により、20年は19年比で3,886億円減少の12兆5,743億円となっている。このうち工業用は、20年の出荷額が3兆1,979億円と11年の2兆9,759億円から2,220億円増加している。強度や耐熱性、形状の柔軟性に優れた新素材の開発により、自動車のパワートレインやエンジン回り、PCやプリンターの部品などで金属からプラスチックへの転換が進んだことなどが背景にあるとみられる。
図表1 全国のプラスチック製品製造業の製造品出荷額等の推移(従業員4人以上)
長野県内の動向
- 長野県のプラスチック製品製造業の製造品出荷額等の推移をみると、図表2のとおり、20年には2,103億円と11年比で約2割増加している。工業用についても右肩上がりで増加しており、20年には1,105億円と11年比で約4割増加している。一方事業所数は、20年に319ヵ所と、11年の363ヵ所から減少している。その理由として、納入先メーカーの海外への製造拠点移転が進み、県内事業所の整理・統合が行われたことが挙げられる
図表2 長野県のプラスチック製品製造業の製造品出荷額等と事業所数の推移(従業員4人以上)
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