「推し活」のススメ<2024.6.14>
自分の好きな物を応援する「推し活」
皆さんは「推し活」をされているでしょうか?推し活とは、歌手やアイドル、アニメ・ゲームのキャラクターなど、自分が特に好きな対象である「推し」を応援し、趣味として楽しむ行動やそれに伴う消費活動を指す言葉です。
ポジティブなイメージで若者に広がり
この推し活という言葉は、2020年頃から多く聞かれるようになり、21年には流行語大賞にもノミネートされ、今では若い世代を中心に広く浸透しています。従来の男性ファンを中心にアイドルやアニメなどを熱心に応援する行動は、オタク的な活動としてややネガティブに捉えられる向きも強かったと思いますが、20年頃から若い女性が中心となった活動が広がり、オタクよりもポジティブなイメージもあって推し活と呼ばれるようになりました。
推し活という言葉が普及し、その対象となる領域は、エンターテインメントにとどまらず、スポーツや文化的な趣味の分野などにも広がっています。また、特定の人や物、キャラクターだけでなく、グループやチーム、団体などをまとめて推す「箱推し」と呼ばれる応援の仕方も含まれます。従って、何か特別に好きな人や物があり、継続的に関連するライブやイベントに参加したり、グッズを購入したりする行動をしていれば、立派な推し活だと思います。
背景にはSNSの普及とコロナ禍
推し活は特に若者の新たな消費行動として注目されています。中でもアニメやアイドルなどの関連市場は数千億円規模に上るとも言われ、推し活の広がりによって今後も成長が見込まれます。こうした推し活が急速に広がった背景にはSNSの存在があります。SNSによって1人1人が自分の好きな物事を簡単に発信できるようになった事で、自分と同じ推しを持つ人を見つけやすくなり、メッセージのやり取りなどを通じて同じ推しを持つ人同士のコミュニティが形成されやすくなりました。そうした活発な交流や口コミによって参加意欲や購買意欲が刺激され、消費活動につながっていると考えられます。
また、推し活という言葉が広がった2020年~21年といえば、コロナ禍の真只中で、ライブやイベントなどの開催が大きく制限されていました。そのような対面での交流ができない中、SNSによるやり取りが活発化したことに加え、YouTubeや、Netflix、Amazonプライムなどといった動画配信サービスの利用が定着したり、家でゲームをする時間が増えたりしたことで、推しを見つけ、その沼にハマっていった人が増えたのだと思います。
最近は物価の高騰もあって節約志向が強まっていますが、一方で推し活など自分の好きなことや価値があると認められる物には相応の消費をいとわないという人も多いと思います。例えば遠方のイベントに参加するとなれば、応援グッズの購入だけでなく、交通費や現地での飲食代、宿泊代など関連消費の効果も大きくなります。推し活が、低迷する個人消費の回復に向けたキーワードの1つと言えるのではないでしょうか。
親子で一緒に推し活を満喫中!
さて、最後に私自身の推し活について少しご紹介します。私は歌手の「ゆず」やプロ野球の「北海道日本ハムファイターズ」が20年以上前から好きでライブや試合観戦によく行っています。
さらに最近は、松本市出身で私の高校の同窓生でもあるプロ麻雀士の内川幸太郎選手を推していて、プロ麻雀リーグのMリーグで彼が所属している「KADOKAWAサクラナイツ」というチームを応援しています。Tシャツやタオルなどの応援グッズを購入し、関東で開催される選手との交流イベントなどには一緒に応援している息子と毎回参加しており、親子で推し活を楽しんでいます。
何事もハマりすぎは注意が必要ですが、皆さんも適度な推し活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
2024年6月14日放送 SBCラジオ「あさまるコラム」より
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