共同研究(バイオディーゼル燃料の合成)1
共同研究(バイオディーゼル燃料の合成)1
連携企業 | 参加生徒 |
当栄ケミカル株式会社 | 工業化学科3年 39名 |
研究の目的
BDF(バイオディーゼル燃料:Bio Diesel Fuel)は、バイオマス由来の油脂(菜種油、廃食用油等)を原料に、エステル交換化学処理をして製造される燃料である。
環境問題が取りざたされている昨今において、家庭や学校、地域で得られる植物性油脂や回収した廃食用油等を原料としてBDFを製造し、燃料として活用することは、地球温 暖化や脱化石燃料及びリサイクルを学ぶよい教材となる。また、地球環境問題の中でも、地球温暖化とエネルギー問題は授業でも取り扱い、メディアでも取り上げられている ことから生徒の関心の度合いも高い。
そこで、油脂よりBDFを合成し、化学的・物理的性質について分析するとともに、ディーゼルエンジンの燃料としてのリサイクルについて理解する。また、エネルギーについ て理解を深めるとともに、地球温暖化のシステムを化学的に考え、将来的に取り組めるような動機付けをさせる。 昨年度、教員研修を行い、課題研究において実験を行ない成果が得られた。本年は、工業化学実習の中で3年生全員に実験させることにより、理解を深めさせたい。
研究内容
・「バイオ燃料の合成」の実習教材化
昨年度、「BDFの製造」を当栄ケミカル(株)の協力により、実験実習の一つのテーマとして出来るようアドバイスを頂いた。まず、課題研究の研究課題として環境問題、特に バイオ燃料に興味のある生徒に対して、「BDFの製造」を実験させた。
もともとバイオ燃料に興味のある生徒だったこともあるが、実験にも主体的に取り組み、アンケート結果も好感触であったことから、今年度は3年生の「工業化学実習」の中の、一つの実習内容として全員が取り組むことにした。
3年生の「工業化学実習」は、「化学工学」「機器分析」「環境技術」の三つのグループに分けて実習を行っている。その中の「環境技術」の実習テーマとして、この「BDFの製造」を取り入れることにした。
ここでは他に環境負荷の少ないエネルギーを作り出す実験や水質・大気の分析といった環境に関わる実験を行っていることから、実験テーマとしても妥当であると考えた。27時間のうち7時間を「BDFの製造」にあて、その中でバイオ燃料の現状や問題点等の講義も加えた。実験器具の不足から、個人実験ではなく3人一組の共同実験であったが、全 員が「BDFの製造」のテーマを実験することが出来た。
実施結果
【工業化学実習】 実習題目・・・バイオディーゼル燃料の合成
実習時間・・・7時間(1グループ27時間)
実習形態・・・3人一組のグループ実験
実習方法・・・バイオ燃料に関する講義と実習方法について説明(1時間)。各3人一組のグループでそれぞれ油脂を決め、それら油脂の酸化を測定。(酸化の測定方法は2年時の工業化学実習で実習済みであるので、詳しい説明は省いた。)フラスコ内にてエステル交換反応を行なう。(3時間)水洗を行い、脱水、ろ過にて収量を計算してまとめる。(3時間)
![]() |
![]() |
廃油のろ過 | 仕込み |
![]() |
![]() |
エステル化 | BDF(各グループ) |
関連リンク
公共ソリューショングループ
電話番号:026-224-0504
FAX番号:026-224-6233